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競うだけじゃない。
スポーツのポテンシャルを葉山から伝えたい。

村野 義哉 YOSHIYA MURANO

葉山 一色海岸 UMIGOYA・海小屋

神奈川県は三浦半島の西部に位置し、穏やかで美しい海岸と緑豊かな丘陵地帯に囲まれた町「葉山」。湘南エリアの最東部ということで夏には海水浴やSUP、ヨットなどマリンレジャーに興じる人で賑わう。

ROKXのアイテムに、どこかしら海のニュアンスを感じていたキミ。それは正解だ。葉山のビーチと、そこにすむ人たちの人生観や価値観にインスパイアされたエッセンスが多分に注がれていることは間違いない。

今回のROKX FRIEND PROGRAM vol.5は、そんな葉山で20年海の家を営むUMIGOYAのオーナー、むらぽんこと村野氏のインタビュー。2021年はまだ半分が過ぎたばかりだが、村野氏の人生を大きく変える1年になりそうだ。

葉山 一色海岸

UMIGOYA

2001年の夏にオープンして20年。一色海岸の拠点として、地元や多くのリピーターのみなさんに親しまれてきた BEACH HOUSE です。

美しい一色海岸で、多彩なマリンスポーツ、ヘルシーなフードやBAR、ビーチヨガやボディートリートメントなど、思いきり満喫してください。

2020年コロナ渦の夏マリンスポーツ、リゾートスポーツの愉しみを人に伝える原点回帰

元々、フランス企業でマリンスポーツを軸にアクティブなバカンスを提案していた村野さん。海の家UMIGOYAのオーナーという肩書きに隠れがちではあるが、村野さんのキャラクターを構成する大きな要素としてマリンスポーツがある。UMIGOYAでもウィンドサーフィン、ヨット、シュノーケリング、サーフィン、SUPなどの体験プログラムを海の家の飲食サービス営業とは別で、提供している。

2020年の夏はコロナ渦ということで夏の海の家の営業は難しいかもと、予想しつつも営業準備はしていました。しかし、6月1日に神奈川県が海水浴場を禁止とし、当然海の家の営業も不可との通達を受け、ひと夏無職が決まっちゃいました(笑)。

ただ、僕たちには別の場所に艇庫(サーフボードやSUPボードなどを保管している倉庫)があり、海の家UMIGOYAは営業できないけど、艇庫で体験プログラム「マリンスポーツ体験」のみのサービス提供なら営業可能ということで、思い立ちました。

自分としては、元々そういう仕事をしていたもので、十数年ぶりのマリンスポーツインストラクターをメインとして夏を過ごし、色々リセットされましたね。

UMIGOYAの経営全体のマネジメントをしていると飲食サービスにも力を入れないとならず、むしろここ最近はそちらに気を取られ過ぎていた部分があったけど、マリンスポーツを目的としてきてくれるお客さんとゆっくりとじっくりとコミュニケーションをとることができ、再び葉山の海と自然の魅力と向き合うことができました。

時間がいっぱいあったので、シュノーケリングしまくって、葉山の海の良さを再発見しましたね。どの岩にどんな魚がいついているか、全て座標情報とともに頭にインプットされています、それほど時間があった笑。いつかみんなに伝えるために記憶しています。

これが元々、自分がやりたかったこと。原点だったんです。

2021年1月5日 火災で艇庫消失

そして次にショッキングな一件から書き記さないとならならない。それは、2021年年始早々。2020年の夏の営業はコロナの影響を受けて壊滅的だっただけに、思いを新たにして今年こそは!と意気込んでいた矢先のことだった。

商売道具であるマリンスポーツ用具や夏のレンタル備品などを保管していた艇庫が原因不明の火災により全焼。置いてあった機材を全て失った。

火災が起きた直後は、それはもう落ち込みましたよね。

とてもポジティブで前向きなメンタルを持っていると自負していますが、それでもかなり落ちました。葉山のみんなと仲の良い仲間が励ましてくれ、元気づけてくれました。

そんな中、葉山の仲間である柳沢正和 (カラフルカフェ初代店長)さんがクラウドファンディングを勧めてくれます、「失った資材物資を買い戻す金額をクラウドファンディングで募ってみたらどうだろう?」と。

すぐに検討をしました。クラウドファンディングで募る目標金額は、失った資材物資の合計金額700万。

クラウドファンディングページの立ち上げのためにも、いろんな人が応援してくれ、コメントを寄せてくれました。幸い葉山にはたくさんのクリエイターがいて、写真やテキスト、映像や音楽などなど、いろんなアプローチでクラウドファンディングページを盛り立ててくれて、そのおかげもあって、目標金額の700万円は6日で達成したのです。本当に驚いたし嬉しかった。

UMIGOYA のクラウドファンディング

一月の火災で多くを失った、葉山一色海岸「UMIGOYA海小屋」の新たな出発を応援
クラウドファンディングのページへ

次のゴール「葉山のサマーキャンプ」立ち上げ

かつて学生時代にアメリカで本場のサマーキャンプのボランティアを体験したことがあり、その素晴らしさを実感。そして日本に足りないと思っていた「詰め込みすぎない教えすぎないサマーキャンプ・入り口の楽しいところだけを体験するサマーキャンプ」を、ここ日本でまずは自分のメインフィールドの葉山でやりたい。という思いがずっと頭の片隅にあり、実践するためには何が必要か?は把握し、着実に準備をすすめていた。そして今、ある程度準備は整っている段階だった。もうあとはスタートボタンを押すだけの「葉山のサマーキャンプ」。

クラウドファンディングって目標金額を達成したからといって、あらかじめ設定していた募集期間の途中でプロジェクトを終了することはできないんですよね(2021年2月時点でのCAMPFIREの仕様)、60日と設定していて6日で目標達成し、残りの54日間募り続けるのも、何か申し訳ない。

こうなったら、ネクストゴールとして、

元々、構想にあったあの新プロジェクト「葉山のサマーキャンプの立ち上げ」を設定しよう…!と思いました。

いきなり長期間、全国からくる子供を預かるサマーキャンプは難しいでしょうから、まずは近隣に住んでいる子供たちから、短期間受け入れる体制を作っていずれはそれをもっと広げていくような活動をしていく。

ネクストゴール目標金額として新たに1000万円の設定をしました。

すると、そちらのネクストゴールもあっという間に達成してしまったんです。笑

ずっと構想にはあったサマーキャンプでしたが、いざ始めるとなると大変だぞ!と思って踏みとどまっていた部分があったので、ネクストゴール達成した瞬間に、喜びと共に責任を感じました笑。

約束は約束、応援していただいた方への責任と恩返しという思いで、こちらもすぐに動きはじめました。

葉山という場所柄、マリンスポーツの各種目の専門家、イラストレーターやデザイナー等のクリエイター、 魅力的なミュージシャン等々、サマーキャンプの指導者にピッタリな仲間が沢山いて、どんどん声をかけて行きました。

競技としてスポーツを楽しみ、高みを目指すために努力することは素晴らしいことで、何も否定しない。

だけど、その1つの面に囚われすぎて、スポーツの持つ自由で幅広いポテンシャルが見えなくなってしまっている人たちは多い。

僕は幸にして、幼少期に両親がよくスキーに連れて行ってくれたこともあり、早くから自然の中で行うスポーツの楽しみを知ることができ、仕事にするほど人生の中心になってきた。

ここ葉山で、自然(海)の中で楽しむスポーツのポテンシャルを伝えていきたいと思っています。