最近は大人女子の登山が大人気です。さらりと登山ウェアを着こなしている姿はとてもおしゃれでかっこいい。
しかし、登山ウェアはその見栄えだけではなく登山中のいろいろなことを想定して機能的に作られています。
「普段着で登山してはいけないの?」「どんなウェアを着ればいいの?」
そんな疑問に答えるため、登山初心者が最初に知ってほしい登山ウェアの機能と選び方を徹底解説いたします。
登山ウェアの基本はレイヤリング
登山ウェアの基本はレイヤリングです。レイヤリングとは気重ねのこと。
山では100m標高が上がるごとに気温が0.6度下がります。低山といわれる1000mの山でも6度も気温が低いのです。
汗をかいた体は止まれば途端に冷えてきます。
それを防ぐのが登山ウェア特有のレイヤリングという技術。
暑い時は薄着で、温度に合わせて上着を羽織る。風や雨などの急な天候の変化にも速やかに対応。快適に登山を楽しむためにレイヤリングは重要なポイントです。
・アウターレイヤー
一番外側の上着。シェルともいいます。
目的は、保温、防風、防水。
ソフトシェルは軽くて動きやすいですが、防水機能は高くありません。
ハードシェルは伸縮性が小さいのですが、防風・防水機能は非常に優れています。
最近は防水性、透湿性ともに優れたゴアテックスが主流になってきました。
・ミドルレイヤー
中間着。登山用のボタンシャツやフリースやベストなど。
目的は体温の維持。そのために透湿性、保温性が求められます。
街ではアウターになるダウンジャケットですが登山ではミドルレイヤーに数えられます。ダウンは雨に濡れれば保温効果は無くなり、カバーするアウターレイヤーが必要だからです。
・ベースレイヤー
一番内側に着るシャツやインナー。
目的は体をドライに保つこと。
透湿性、速乾性が求められます。
肌に一番近いところに着るので、肌ざわりの良さも大切です。
登山ウェアは素材も重要なポイント
登山ウェアは素材によってそれぞれのレイヤーの機能が生かされます。
素材の特性をしっかり考えて選びましょう。
・登山ウェアの基本はポリ素材
登山ウェアの基本素材はポリエチレンとポリウレタンです。伸縮性に富み、透湿性、速乾性に優れていて、肌をドライに保ち汗冷えを防ぎます。
・登山者に愛されるメリノウール
メリノウールは吸汗性の他に断熱性に優れていて、夏は涼しく冬は暖かい素材です。そのうえ防臭性が非常に高く、連泊の登山でも匂いが気になりません。ベースレイヤーや下着に最適。1ランク上の登山ウェア素材です。
・綿はダメ!
登山ウェアで絶対に避けなければならないのが綿素材です。
綿は肌触りがよく吸汗性はよいのですが、速乾性はありません。汗をたくさんかく登山では汗冷えになってしまいます。
ジーパンも綿素材なのでNGです。汗冷えだけでなく、布地が汗で引っ付いて足が上がらず滑落の危険があるからです。登山ツアーでは参加を断られるケースがあります。
・ヒートテック、パンストはNG
街では暖かいヒートテック。しかし登山では大量の汗をかき、保水性も強いので汗冷えの恐れがあるためNG 。
パンストも気密性が高く熱がこもるのでこれも NG です。
シーンに合わせたおしゃれコーデ
大人女子もおしゃれな登山ウェアに身を包み、山ガールデビューしてみましょう。
ここではシーンに合わせた登山ウェアの組み合わせをご紹介します。
・夏の登山ウェア
上は、Tシャツとアームカバー。
下は、レギンスにラップスカート。
これぞ山ガールコーデ!
最高におしゃれで可愛いだけでなく、このファッションには実用的な機能が備わっています。 二の腕まであるアームカバーは日焼けを防ぎ、サッと巻きつけるだけのラップスカートは登りでも足がスムーズに上がります。
覗かれたりしたら嫌だなあと思う人には、ラップスカートに見えるパンツタイプもあります。
・春と秋の登山ウェア
上は、アンダーウェアにTシャツ。
下は、タイツとロングパンツ。気温によりラップスカートでもOK。
急に冷えることがあるので、ソフトシェルやダウンベストなどを持っていると安心。
・冬の登山ウェア
上は、アンダーウェアにボタンシャツ。フリースとハードシェルを気温に合わせてレイヤリング。
下は、タイツと冬用ロングパンツ。
寒ければフリースではなくダウンジャケットを持っていきましょう。
これ以外にも組み合わせは自由自在。自分独自のおしゃれを楽しんで下さい。
ザックの容量は限られているので、アウターウェアはコンパクトになるものを選びましょう。さらに、帽子や手袋などの小物も登山ウェアをおしゃれにする重要なアイテム。
サングラスもおしゃれですが、森の中では木々や花や水の美しさを実際に見てほしいので、時々はずしてください。
まとめ
・登山ウェアの基本はレイヤリング
アウターレイヤー・ミドルレイヤー・ベースレイヤーを上手に気重ねする
・登山ウェアの素材は重要
ポリエチレン、ポリウレタンが基本
メリノウールは1ランク上の素材
綿素材、ヒートテック、パンストはNG
・シーンに合わせてコーデ
春夏秋冬のコーデ紹介
小物を合わせて自分独自のおしゃれを楽しむ
この記事が登山ウェアを選ぶときの参考になれば幸いです。ぜひ自然の中でも存分におしゃれを楽しんでくださいね。