4月も中旬だというのに、梅雨のように雨日が多く、暖かくなったり寒かったり、気候不安定な日々。
そんな時期に夏の“ショーツ”が入荷したので、ご紹介したいと思う。
ちなみにこの僕、数年前までは、4月頃からショーツを穿いていた。
肌寒さなどお構いなし、毎日色違い柄違いを楽しむショーツ先取り派だった。
それが、何があったわけでばないのだが、最近はもっぱらゴールデウィーク(以下GW)頃になった。
僕が年を取ったのかな?
いやいやそれはあるまい、それまでだって十分に年寄りだったし(苦笑)。
色々考えるに、一つの答えに辿りついた。
このところの夏の熱さが凄まじく、今からショーツを穿いてしまうと、夏本番で穿くものが無くなってしまう気がするのだ。
とはいえ、いつのまにかGWまであと数日。
僕のショーツ解禁日が目前に迫ってきている…。
今回FEATUREするショーツは、『MG ROKX SHORT』。
ROKXのベーシックな要素が詰まった定番のショーツである。
ショーツというものは、一つの境界線をさかいに2つのタイプに分かれる。
その境界線となるのが、“ヒザ”である。
穿いたときにヒザがでるか、ヒザが隠れるかでショーツの印象は大きく変わる。僕はそこをポイントにショーツを選ぶことが大切だと思っている。
もしかしたら色目と同じくらい(色目よりも)重要なポイントなのかもしれない。
ショーツをスポーティでアクティブに穿きたければ、ヒザがでる長さのタイプ。
ファッショナブルに、カジュアルに穿きたい場合は、ヒザが隠れる長さのタイプを、といった感じだ。
では、この『MG ROKX SHORT』はどうか。
まず、生地は、オリジナルの綿97%、ポリウレタン3%のツイルを使用している。
ポリウレタンというのは、ストレッチ性を出すために混紡されたゴムみたいな素材である。
縫製は通常のスラックスより太目の糸を使用。
特にクライミングショーツでは重要となる内股側は、ほつれにくく破けにくい頑丈な縫い方である"巻縫い"で縫製している。
股下の真ん中にある菱形の切り替えには『ガセットクロッチ」といわれる名称がついており、股をいろんな方向に広げても生地の縫い目に負担がかかりにくいのが特徴。
『ガセットクロッチ』は、ROKX創立者のマイク・グラハムが当時のカンフーパンツの股下パターンからヒントを得てクライミングパンツに初めて採用したというのは、知る人ぞ知る話だ。
もちろん『MG ROKX SHORT』だけでなく、ほとんどのROKXのボトムにこの『ガセットクロッチ』」は採用している。
ベルトのことにも少し触れておこう。
そもそもこのベルトとそれを留めるバックルはバッグ類に多く使われていたもの。
これはマイク・グラハムが初めて作ったアイテムが、クライミングの際に仮眠所となるポーテージだったことが影響している。
彼はその他ハーネスなどを制作し、シュイナードデザイン(現在のパタゴニア)に納品していたのだ。
このようにクライミングギアを作っていたからこそ、今の片手でウエストの調節を可能としたROKXのウェビングベルトとバックルが誕生したのである。
さて、話は遠回りになってしまったが、、
結局『MG ROKX SHORT』は、穿いたときヒザが見えるのか見えないのか。
見えます。
ぜひお試しください。
Takehiko Hosono (ROKX Brand Director)