
今回インタビューさせていただくのは、神奈川県横浜市の中川駅すぐそばに店舗を構える「Yellow Monkey Brewing(イエローモンキ―ブリューイング)」でFounder兼CEOの駒田 博紀さん。
ランニングシューズで有名なスポーツブランド「On(オン)」の日本上陸プロジェクトに携わり、2015年5月、日本法人オン・ジャパン株式会社を立ち上げたのち2020年3月より同社の代表に。
2024年2月に退職後、この事業を手掛けておられます。
この度、ご縁あってROKXの『カーガパンツ』を穿いていただいていることから、インタビューをさせていただきました。
|野良仕事に作業、オートバイ、このパンツは最適。
― 率直ですが、パンツの調子はいかがですか?
駒田さん
「メチャクチャ穿きやすいですね!クライミング由来のブランドだからか足捌きがすごく良いですね。それはホント助かります。」
駒田さんが穿いているのは、今年の春に新アイテムとして登場した「カーガパンツ」。
ROKX創設当時に販売したパンツを忠実に復刻したパンツで、ノンストレッチコットン100%、極太なシルエット、大きなポケットなど個性的なパンツである。
着用パンツ:カーガパンツ BLACK Mサイズ
駒田さん
「仕事柄、全国の農家さんの所へ行くのですが。例えば小田原のレモンや、熱海のダイダイなど収穫したりするんですね。そういうときに自由に動けるパンツはすごくいいんですよね」
ー え、畑作業もされるんですか?
駒田さん
「そう、そうやって収穫したものをその日のうちに持ち帰って、輪切りにして仕込み釜に入れるんです」
ー そうか、クラフトビールのためにですね!
駒田さん
「はい。仲良くなった農家さんの現場に行って収穫したり、そうやってできたビールを全国のクラフトビールフェスに出店したりなど、そういう生活が多いんですね。そういうときにこのパンツの【動きやすい】【サラッとしてる】というのが助かるなと思いましたね」
ー 駒田さんが穿かれているのはMサイズですよね、、?
駒田さん
「僕は元々、下半身は細いんですよ。友人からは美脚だねなんて言われたり(笑)空手をやっていたので太ももは太いんですが、それ以外は細身で。なので結構穿くパンツが難しいんですが、このパンツはお尻から太ももにかけてがかなり太いので、Mサイズでもラクですね」
身長178cmの駒田さんですが、Mサイズでもバッチリですね。
(ちなみに172cmの私も同じMサイズを愛用していますが、ロールアップにすることが多いです。)
駒田さん
「あと僕はオートバイに乗るんですけど、このパンツ、オートバイにもめっちゃいいです。野良仕事、色んな物を持ち上げたりする作業、オートバイ、あとはどこかで空手を使うシーンがあってもこのパンツは問題なさそうですね(笑)」
ー じつは、ROKXの創設者「マイク・グラハム」はクライミングパンツとしての機能を活かすために、空手のかかと落としをイメージしたそうです。他にも体を動かすようなシーン、例えばダンスとかスケボーにも合うと思うんですよね。
駒田さん
「クライミングは頭上よりも足を高く上げることありますよね。ダンスなんかにも絶対いいですね。そういえば、このパンツを穿いていると普段の僕と違うからか『今日はストリートの雰囲気みたいだね』って言われたりします(笑)」
|なにより美味しいビールを飲んでいただく。それが1番。

ここからは、駒田さんに現在の仕事との向き合い方や、今後の目標を聞いてきました。
ー まずは、そもそもなぜOnを辞められたあと、駒田さんはこの仕事を選ばれたのですか?
駒田さん
「僕はオン・ジャパン時代にずっと日本中でイベントを企画して走って、お客さんと乾杯してたんですよね。トライアスロンなどのレースでも、お客さんとすれ違う度にハイタッチしたり、フィニッシュラインでは乾杯したり。スポーツのあとにやる乾杯というのが、より美味しく、より人間関係が滑らかになる、ビールというのは潤滑油みたいなものだと思うんです。オン・ジャパン時代から、人をハッピーにする手段として、シューズがあると思ってやってきました。今もその気持ちや目的は変わらず、業界が変わっただけ、その手段が変わっただけなんです」
ー では、ブルワリーとしてこの土地(神奈川県の中川)を選ばれた理由はありますか?
駒田さん
「醸造所を作って全国に出荷することがメインではあるんですが。僕はこのブルワリーをコミュニティハブにして色んな人が集まって交流したり、走ったりしたかった。ビールを醸造して出荷するだけなら工場地帯でも良かったけど、そうじゃない。僕は元々横浜をルーツにしていて、どこかバランスのいい場所がないかなと探し回っていたときに、たまたまこの場所が見つかったんです。駅から徒歩1分。目の前の道は車道ではなく歩道。非常に愛と平和を感じる雰囲気。しかもこの場所の周辺には都筑緑道という一周するとだいたい15kmの公園の集合体みたいなものがあって、一度も信号にぶつからずに走れるんです。もうここしかないじゃんって」
店内の奥に見えるのがブルワリー
運命みたいなこの場所と出会い、素敵なブルワリーとなったYellow Monkey Brewing。 今、駒田さん、そしてYellow Monkey Brewingが、一番チカラを入れていることを聞いてみました。
駒田さん
「今はまず、知っていただくことですね。ビールの醸造を始めたのが2024年の9月で、一般に販売開始したのが10月なんです。まだ出来立てのブルワリーですので、全国を出歩いてビールフェスやイベントに出店したり、ビアバーとコラボしたり、代々木公園のラントリップベースでイベントを企画したりなど、今の目標は『人に知ってもらうこと』ですね」
ー ここでランニングイベントも実施されているのでしょうか。
駒田さん
「イベントは毎月やっていますよ。ランニングイベントだけでなく色んなイベントを毎月企画しています。ランニングした方用にシャワールームも作ってあります。走った後シャワー浴びてさっぱりしてビールが飲めるように。なにより美味しいビールを飲んでいただく。それが1番ですので」
シャワールーム
駒田さん
「新作のビールを発売するときを『開栓日』というんですが、その際はランニングイベントを開催することが多いです。ランニングして、新作ビールで乾杯をする。1ヶ月に1回くらいかな、定期的に行っています」
|大きな壁が出てきたら、ゲーム感覚で自分を俯瞰して楽しんでいく。
精力的に店内外でイベントを行い、たくさんの方にビールを知っていただく。
そんな中で、どんな壁にぶち当たり、どのように超えていくのでしょうか。
駒田さん
「壁にぶち当たることはたくさんあります。たくさん。全然知らないことだらけで困ることばっかりですよ(笑)そもそもビール作りに関しての知識が足らなかったり、工場を作る資金だったり。現実的な問題から精神的なことまで、ありとあらゆる壁がありますね」
ー そういったとき、乗り越えていくモチベーションはどのように持っておられるのですか?
駒田さん
「僕は、これはゲームをしているんだと思い込むようにしています」
ー というと?
駒田さん
「例えば、スーパーマリオってゲームがありますよね。マリオって何回も死にますよね。穴に落ちたり、敵にぶつかったり。マリオ自身はすごく大変なんですよ。なんでこんな目に合うんだってなってるんです。だけど、プレイしている人間は、難しいなこのステージ、面白れぇなってニヤニヤしちゃうじゃないですか。そのどちらの感覚も自分の中に持つようにしているんです」
ー なるほど、マリオで例えられたらすごく分かりやすいですね。
駒田さん
「ゲームでスタートしてから旗に向かうゴールまで、何も障害もなくBダッシュだけで行けても超つまんないじゃないですか。でも現実世界、コスパとかタイパとか、そういうものを求める人が多い。でも僕はつまんないと思っちゃう。もっと試行錯誤したり、色々試したり、苦しんだりしてから成果を掴みたい。これはフルマラソンやトライアスロンなど、スポーツをやってるときに同じメンタリティを持ってるはずなんです。練習はすごく苦しい。だけど、あのレースを完走するために、最後の嬉しさのために、苦しい練習さえも楽しい。楽しいための過程になるんです」
ー めちゃくちゃ素敵な言葉で響きます!
身に染みることが聞けて、今ビールが飲みたくなるほど(笑)
それは思い当たることがあるのか、思い描いていたことなのか、どちらにも当てはまるような言葉に、ハッとしてしまいました。
素晴らしいインタビューのあとは、ブルワリーの中を覗かせていただき、撮影させていただきました。
左:YMBの醸造を担当する齋藤健吾さん
「健吾が、『飲んだ人が笑ってくれるようなビールを作りたい』という夢を持っていたから一緒にやることになったんです」と駒田さん。
最初は自分で自虐でつけたあだ名だった「ハマのダンディズム」、健吾さんの提案で商品化されることに。Yellow Monkey Brewingの代名詞ともなるビールになっている。
家に帰ってビールをいただきました。
インタビューを思い出しながら、苦味と甘みが体にす~っと巡りました。
明日はランニングしようか。
晴れるといいな。
- お店(タップルーム)の紹介 -
| 店名 |
Yellow Monkey Brewing |
| 住所 |
神奈川県横浜市都筑区中川1-17-6 |
| 営業時間 |
火・水・金 17:00-22:00 |
| 公式Instagram | |
| 公式サイト |



床に刻まれた「Be pirates. Be playful.」は、Onの創業者からもらった大切な言葉。



